暇を見つけて街に降り、人気の菓子屋でとびっきりのチョコを買ってきた。 こういう時、つくづく自分のイノセンスの能力は便利だと思う。 一見しただけでは中身がわからないような、何の変哲もない紙袋に入れて。 唯一のプライベート空間である自分のベットの枕元に置くことで、なんとかジジイやアレンに見つかって食われることもなく今日まで乗り切った。 後は渡すだけ。そう渡すだけなのだ。 悩んでいてもしょうがない。 渡してみなければ、そのときにならなければ、ユウの反応なんてわかりようがないんだから。 自分は渡したい。ユウに渡したい。 愛してるだのなんだのと、俺の愛はもう暑苦しいほどに言葉でも態度でも示しまくっているが、全然足りないんだ。 持ちうるすべての手段を使って、ユウに俺の気持ちを伝えたい。 覚悟を決めて、ラビは歩く速度を上げた。 ユウはどこにいるんだろうか・・・ ユウの部屋に行ってみる。 食堂に行ってみる。