ユウちゃんの部屋でごろごろ過ごしている時。 穏やかな時間があってもいいよね。
「ユウ」 「・・・・・・・」 「ユウちゃーん」 「・・・・なんだ」 「呼んでみただけさ」 「・・・・・・・」 そんなことだろうと思ったから、無視を決め込もうと思ったのに。 人が六幻の手入れをしている横で、人のベットを占領して我が物顔でくつろぐ ノータリン男の声は、どうしてこんなにも気になってしょうがないのだろう。 「ユウ」 懲りずにまたファーストネームを口にするアホ――ラビの呼びかけに、 今度こそ答えてなんかやるまいと、手元に神経を集中させる。 「ユウー?」 「・・・・・・・」 「怒った?」 ラビがむくりと起き上がったのが、腰かけた部分から伝わってくるベットの軋みでわかった。 俺がヤツに背を向けたまま顔を上げないでいると、恐る恐るといった感じで肩に手が添えられる。 いかにも面倒くさそうにゆっくりと振り向いてやれば情けないラビの顔があって、 おかげで笑いをこらえようとした俺の顔もさぞかし滑稽な様に歪んでたろう。 ・BACK・