「ユウ!!」
「なんだよ・・・」
昼食どき、にぎわう食堂。
少々強い調子の呼びかけに、持っていた箸を置いて、ユウは面倒くさそうに顔を上げた。
その向こうでチャオジーが食いかけのパスタを口からはみ出させながら、何事かとこちらを見ている。
マリも手を止めた。ティエドール元帥はさすがというかなんというか、涼しい顔で食事を続けている。
「ちょっと来て!」
「!? お、おいっ」
答えも聞かずに強引に引っ張って食堂を出た。
振り払われないのをいいことに、しばらくそのまま廊下を進み、ひとけのない一角で立ち止まる。
振り向いて、ユウを引き寄せた。自分の状態を理解して、ほどなくユウは腕の中でもがき始める。
それを抑えつけるように腕に力をこめて、耳元でそっと囁いた。
「・・・もう限界」
「何言ってやがる! ふざけんな、離せ!」
「嫌さ! ・・・・俺のことも構ってよ・・・・ッ」
「・・・・・はぁ?」
ユウは動きを止めた。だって、と俺は言いつのる。
「いくら揃うの珍しいからって・・・元帥や弟子仲間とべったりじゃんか。
病室でも、飯食う時も!」
「お前はモヤシと食ってるだろ」
「ユウがいないからね! 俺だって…俺だって、ユウとホームで過ごすの久しぶりなのに」
「ラビ・・・」
つっぱっていた腕の感触が消えた。
分かってくれたユウを、俺は思う存分抱きしめ――る前に、ユウの静かな声が響いた。
「言いたいことはそれだけか?」
「え?」
「くだらねェことで飯の邪魔すんじゃねェ――!!」
ゴッ
顎にキツイ一撃をくらって俺はその場にくずおれた。
俺の腕から逃れたユウは、蕎麦がのびるじゃねェか、とかなんとか文句を言いながら、
足音荒く食堂へ戻って行った――
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兄弟弟子vsラビシリーズ。チャオジーの世話焼くユウちゃんにはらはらしてたらいいと思う。