「お前カンダに近づいて何様のつもりじゃん」
「その言葉、そっくりお返しするさ。兄貴きどりかよ」
「俺はカンダの兄弟子じゃん」
「俺はユウの――」
ラビが口ごもると、デイシャは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「何だって言うんじゃん? この前入ったばかりの新入りが」
俺は、ユウの、なんだろう。
友達、よりは深い関係を築いているつもりだし、
親友というには、少々抱いてる感情の種類が違う気がする。
デイシャのように兄弟の絆のようなものを感じているわけじゃない。
俺がユウに抱いてるのは、見守りたいとか一緒にバカ騒ぎしたいとか、
そんな甘っちょろくて穏やかなものじゃない。
もっと激しくて、身勝手で、熱くて。
「俺は、ユウの――」
「何やってんだ、お前ら」
「カンダ!」
「ユウ!」
「ファーストネームで呼ぶなっつったろ。お前ら、何をギャアギャア騒いでんだ」
顔を思いきりしかめたユウに、デイシャは、大したことじゃないじゃんとはぐらかす。
一層変な顔をしたユウを思いきり抱きしめて、
「俺はユウの親友!!」
「あっコラテメ・・・」
「いきなり何しやがる!」
じたばた暴れるユウも、引きはがそうとするデイシャも構わずに抱きしめ続ける。
今はまだ、この位置でいい。
俺とユウはオトモダチ。
少なくとも、今はまだ――
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兄弟弟子vsラビシリーズ。デイシャがいた頃はきっとバチバチ火花散らしてたんだと思う・・・