ユウに会ったら、遅いさ!って怒鳴って、場合によってはちょっと引っぱたいてみたりなんかして、 俺がどんだけユウを心配してたか、思い知らせてやるんだって。 それから、怒ってゴメンの気持ちもこめて、ぎゅっと抱きしめて、 ユウが生きてるって、めいっぱい実感するんだって。 俺にぶたれて呆然とするユウとか。 その一秒後には、もの凄く不機嫌になるんだろうな、とか。 抱き締めたユウの温もり、重み、匂い。 細かく細かく考えてたのに、いざ本物を目の前にしたら、そんなん、いっぺんに吹き飛んだ。 「ユウッ!!」 扉からひょっこり現れた彼に、頭の中が真っ白になる。 髪はほどけちゃってるし、服はぼろぼろで、いっぱい怪我してて、梵字も濃くなってて、 痛々しいな、とか、やっぱり一人でなんて置いてくるんじゃなかったさ、とか。 あんなんなっててもクロちゃん担いでくるあたり、ユウらしい、だとか。  後から後から湧いてきて収拾がつかない。 パンクしてしまいそうな想いの奔流は、どれひとつだってまともな言葉にならなかった。 遅すぎ。 心配したよ。 心配のしすぎで胸がつぶれそうだった。 ホントだよ。 今だって、キモチが溢れて溢れて止まらなくて、心が破裂しちゃいそうさ。 胸が苦しいよ。 照れたように顔を伏せて舌打ちをしたユウに向かって、俺はたまらずに駈け出していた。 ・BACK・
方舟編3。最後はラビたん視点